第36回 丸亀市多職種連携研修会(ま~るの会)
テーマ: 医療・介護の現場を守るカスタマーハラスメント対策
~医療・介護を止めないためのリスクマネージメント~
【開催日時】令和8年9月11日 (金) 19:00~20:45
【会場】 丸亀市市民交流センター マルタス 1階 多目的ホール1.2
【講師】木村 牧恵 先生 社会保険労務士 香川働き方改革推進センター センター事業専門家
【内容】講義・グループ討議
【対象者】病院・施設ほか、医療介護に関わる専門職
【概要】
医療・介護の現場からの患者・利用者への支援をする上で、無理な要求や対応困難なサービスの要求など、どうすれば解決するのかと悩むことを耳にします。今回はそのような高齢者施設や在宅支援の場での困難事例を例に、カスタマーハラスメント(カスハラ)を、どう考え対処するのかを考えるため研修会を開催しました。
医師や歯科医師、ケアマネージジャー、保健師、看護師など色々な職種の人が交じり合い、グループごとに意見交換を行ないました。発表された意見には、利用者や家族への関わり方や説明の在り方、事業所としての取り組みを明確にする必要がある。職員を守るべきなどの意見がたくさん出ました。
講師の木村先生は、このような事案が根本解決に至らないのは「病気によるものだから」とか、「もともとの性格だから」という理由付けやあきらめが根底にあるのでは?と問題定義をされました。この人はこういう人だからと結論付けると、そこで思考が止まってしまい、対応の改善や話し合いの機会も奪われてしまいます。一人ひとりの状況に応じた非常に繊細な対応が求められると説明されました。
厚労省のデータでは、トラブルの際、当事者の対応として「謝り続けた。」とする回答が最も多く、次いで「我慢した」「上司に相談しなかった。」と回答している人が多いと報告されました。ハラスメントの対応を個人に任せるのでは、働きやすい職場とは言えません。
従業員を守るために、ハラスメント対策は組織の仕組みが重要なのです。『カスタマーハラスメント防止法』は、2026年10月1日より施行開始になります。それには、ハラスメントに対して法人・組織として対応できるプロセスが求められています。具体的には、
⓵事業主の基本方針・基本姿勢の明確化、従業員への周知/啓発
②従業員(被害者)のための相談対応体制の整備
③対応方法、手順の策定
④社内対応ルールの従業員等の教育/研修
また、カスハラが実際に起こった際の対応として
⑤事実関係の正確な確認と事案への対応
⑥従業員への配慮の措置
⑦再発防止のための取り組み
以上のステップを繰り返し実施することが重要です。そして相談できる環境を整えることが情報共有の基本であると先生は真摯に説明してくださいました。
利用者のちょっとした要望がエスカレートして過大な要求に変化し、不当なクレームに変わることもあります。利用者からの要望が正当な要望なのか、不当なのかという線引きが重要とも言えます。その他にも、ハラスメント予防策として
・研修を実施してハラスメントの理解を深める
・契約書・重要事項説明書への明記
・ハラスメント対策マニュアルの作成などが挙げられました。
ハラスメント対策を個人レベルにとどめるのでなく、組織として 基本方針・基本姿勢を明確化し、防衛策を講じる。そして時には専門家の力を借りる事も大切であると述べられました。
終了後のアンケートには、カスハラの事を多職種で共有できたことが良かったというような意見がありました。声を上げやすく、情報共有できる職場風土を醸成していきたいと痛感した研修会でした。

【アンケート結果】
参加者数:79 アンケート回答数:77 アンケート回答率97.4%
1.職種別参加者(※重複回答あり) 2.参加者経験年数

3.研修内容についての感想 4.研修時間について

5.感想
・多職種の方の話が聞けて良かったです。
・「スタッフの命を守る。」という言葉が特に印象に残りました。
・人材不足の昨今、職員を守るための対応は大切だと思います。
・多職種共有の場でこの話が聞けて良かったです。
・利用者の訴えが正当なものかどうかを判断して対応するのが大切と感じた。事業所中で情報を
共有して、 不当な訴えでスタッフが一人で悩まないようにしたい。
・カスハラについて知らないこと、理解していないことがあったのでとても勉強になりました。
自分でも広める活動をしたいなと思いました。
・ケアマネは、利用者や家族の方と長いと10年以上の付き合いがあります。ケアマネに気持ちを
訴えてこられ、一人で抱えることが多いので、クレームなのかハラスメントなのかわからない事
が多い。 タイムリーなテーマで大変実になる講義でした。
