認知症とともに自分らしく暮らすために観音寺市の目指すコンセプト
「わたしのまんまでいたいんや できる喜び できる楽しみ これからも」〜きっと叶うよ みんながいるから〜
今回のフォーラムは、認知症当事者とともに市民や地域関係者、認知症キャラバンメイト、専門職と決定した当事者の思いを込めたコンセプトを広く知ってもらいたい。コンセプトの実現に向けて、当事者とともに様々な立場の方と進めたいと考え開催したフォーラムでした。
開催:令和7年9月30日(火) 午後1時30分から3時30分
内容:第1部 講演 「認知症になってよかった」
全国認知症本人大使「希望大使」 戸上 守 氏
有限会社 なでしこ(戸上氏のケアマネジャー) 吉川 浩之 氏
戸上氏から「診断された時は引きこもった。みんなが優くしてくれて
仕事ができることがうれしい。長く認知症になっているが、それ程悪くない。幸せに生きることができる」
吉川氏から「その人らしい暮らしを一緒に考え、一緒に作る。
環境を整えてあげればできることはたくさんある。まずは興味を持ってその人を知ること」
第2部 シンポジウム「できる喜び、できる楽しみを叶えるために」
当事者 「診断された時の思いや受け止めた経過」「好きなこと(料理やカラオケ、絵を描くこと)や
役割(認知症の方を支える相談員)をし続けたい」を動画で発信
ボランティア代表 勝田 愛子氏
「その人を知り、思いを聞いてあげたいこと」
介護サービス事業所代表 セントケア観音寺琴引 今田 亜美 氏
「ご本人の思いを丁寧に聞き取ること。」「できる力を大切にして、喜びや楽しみを一緒に
感じること。」「地域との繋がりを大切にサポートしていきたい」
フロアと意見交換後、認知症当事者2人からメッセージがありました。
「生きているだけで幸せ」
「認知症になった方を助けてあげたい」「大丈夫だよと 言ってあげたい」
最後に「コンセプトの実現に向けて、みんなで1つになって観音寺市をいいまちにしましょうと!」
終了しました。
参加者 418人
内訳:一般市民 56% ボランティア(第2層協議体メンバー含む)20% 医療・介護専門職 16% その他 8%
アンケートから(回収率76%)(自由記載一部抜粋)
○感想 大変良かった 60% 良かった31% 記載なし等9%
- 当事者の言葉を初めて聞いたので、新しい発見と驚きでした。
- 認知症に対するイメージが良い方へ変わった。
- 認知症になるのは怖くないし、家族も楽しんでいいんだと元気がでた。
- 本人の思いを理解して普通に接すればいいと分かった。
○認知症の方が自分らしく暮らすために大事なことは?
- 認知症だからと言って本人の気持ちに寄り添わず、こちら側が押し付けてはダメだなと。 本人のやりたい事を尊重してあげたい。
- どんな小さなことでも、人の役に立つという場面が生活の中にあれば、生きる意欲になるという事が理解できました。
- 人は一人では生きていけない。周りの考え方が大切。
- ケアマネの決まりきったケアプランの目標は利用者に何にもならない事を実感した。
- 様々な事があるが、今まだこの地域ならみんなの理解を広め、広報することで地域で支える関わりがもてるのではないか。
○これからできそうなこと
市民・ボランティア
- まずは自分の暮らしから。自分に合ったことを楽しくできることを見つけていこう!
- 普通に接すること。認知症のことを少しづつ知っていくこと。
- 認知症の方が自分らしく生きられるよう寄り添うことができたらいいな。話相手をしたい。話を聞く事で、見えない内面の苦しさや願いに気づき、少しでも前向きに生きられるようなお手伝いができるかな。
- 認知症の方の事(思いや好きなこと)を深く知ろうとし、その人が望むことを一緒に楽しんでいく事が大切と知りました。家族も本人も興味を持ちできる事をしてもらい、共に楽しく生活できたらいい。
- 市民一人ひとりが小さなことから始めることが大切と思います。市民に少しでも大切な事が広がって本人の楽しみが見つけられるといいのかな。
専門職
- 専門職として、考え方をアップデートしていく。同じ価値観を持つ仲間を増やす。
- 当事者のお話をゆっくり聞ける人になりたい。普段から対話を意識していきたい。
- 認知症の方でも思いは語れるので、家族の思いだけでなく、本人の思いを大切にしたい。
- 認知症の悪いイメージをなくす取り組み。
- グループホームの入居者ができることはまだまだある。できることやしたいこと一緒に見つけて続けていけるようお手伝いしたい。
- できない事ばかりに目を向けるのではなく、思考を変換したい。
- 認知症当事者の思いや語られないエピソードなどから、どんな事がしたいのか聞き取ろうとする思いで関わっていきたい。
- 上辺だけのケアプランではなく、したい事が本当に実現し、喜んでいただけるケアプランを作成したい。
- 本人の思いをどう実現していくか、できない理由を考えるのでなく、工夫してできる事を一緒に考えていきたい。
これから、コンセプトの実現に向け、当事者の思いを様々な機会に伝えることや、地域の理解者を増やしていくこと。認知症当事者のしたいことを叶えるために、どのようなことが必要か、当事者とともに「チームかんおんじ」の会で考えていきます。


